赤ちゃんって良いですよね(その3【最終話】)

(「その2」へ戻る)


マジマジョ 白雪 リン(演:隅谷百花(現おはガール、ガールズガールズ))
     小田原 カイト(演:下川恭平)               
国分寺宙太(演:前田航基)                 


宙を再び歩行器に戻し、星奈はお粥を作りにキッチンへ向かいます。
その間宙太は、宙をあやしながらお粥の完成を待ちます。
宙の助け舟のおかげで平常心を取り戻したリンとカイトは、再びリビングでくつろぎ始めます。
「これが夫婦と子ども1人の暮らしなんだよなぁ。」
「そうですねぇ。」
(リンともし結婚できたなら、こんな感じなのかな…。)
カイトがそんな風に空想に耽っていると、
(そうですよ…。)
テレパシームーンストーンを使ってリンがカイトの意識に割って入ってきます。
思わず慌てたカイトは、
「リン、魔法はダメって言っただろッ!」
「しっ!カイトッ!」
「魔法?」
宙をあやしていた宙太が耳ざとく聞きつけます。
「い、いやー、次の漫画の題材、魔法使いモノはダメだろって。」
「そうそう、そうです。次は絶対リアリティのあるものです!」
「相変わらず仲良く漫画描いてるんだな。そうやってキラキラしたままで大人になるんだぞ。」
宙太が目を細めて2人に言います。
「お、おう。」
「はいッ!」
そうこうしているうちに、宙のお粥を完成させた星奈がリビングへ戻ってきます。
物珍しそうにお盆を覗き込むリンとカイト。そこには大人のスプーンと比べたらオモチャのように小さなスプーンに、控えめなお粥が盛られています。
リビングに米とほんのり鰹の香りが漂い、自分のご飯を察知した宙がもの凄いスピードで歩行器を駆り星奈の元へと近づいてきます。
「あらあら、宙ったら。」
歩行器ごと宙を受け止め、パパッと前掛けを装着させる星奈。
そして宙は星奈がスプーンを近づける度にお利口に口を開け、お粥を口の中でゆっくり味わっていきます。
「ご飯を食べてる姿も可愛いですね、宙ちゃん。」
「そうだね、リン。」
リンとカイトは自然とお互いの肩が触れ合うほどに近付き、9ヶ月の宙がお粥を頬張っていく姿を見守っています。
やがてお粥の皿が空になりましたが、宙はまだぐずっています。
「お粥だけじゃやっぱり足りないよな。星奈、おっぱいかミルク足してやりなよ。」
「そうね。」
そう言うと人目もはばからずスルリと上着を捲り上げ、星奈はその立派な胸をポロリと露わにさせます。
「ちょ、ちょっと、星奈!今日はカイトとリンちゃんもいるんだから!」
「あ、そ、そうだった!」
ついいつもの癖で反射的に自身の胸を晒してしまった星奈。慌てて上着を戻し、そのままキッチンへ逃げるようにしてミルクを作りに行きます。
そのとき、バタンッ!と鈍い音が。
カイトがリビングで鼻血を垂らしながら倒れています。
「カ、カイト!」
カイトを気にかけるリンも、先ほど大人のおっぱいを見たばかりで、顔じゅう真っ赤です。
(この2人に赤ちゃんはまだまだ先の話だな…。)
そんなことを心の中で呟きながら、初々しい2人を見守る宙太でした。

(終わり)

1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。