リンの告白(その3【最終話】)

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マジマジョ 白雪 リン(演:隅谷百花(現おはガール))
     小田原 カイト(演:下川恭平)      


「あれも魔法でやったのか?」
「はい…。」
過去の過ちを咎められているような心境で、これ以上ないくらいに力なくリンが頷きます。実際、魔法の力を借りて描いた漫画を編集部へ持ち込もうとしたあの一件は、最終的には思いとどまったものの、それでもリンの中では未だに罪悪感の大きな事件として心に残っているのです。ましてやこの状況でカイトに追及されるなど、リンのダメージは測りしれません。
「どうやって?」
カイトの追及は続き、リンは当時の状況をなぞっていきます。
「お話は本当に私が考えて、漫画を描く段になってこんな風に」
そう言ってリンはマジョカルミナを変身オパールにかざし、あのときと同じように呪文を唱えます。
「マジマジョマジカル、変身オパール、絵が上手い人になれッ!」
そう言ってリンは、カイトの姿に変身します。
魔法の力によって目の前にもう一人の自分が現れ、本日二度目で口が利けなくなるカイト。
その間、リンが変身したカイトはスラスラとイラストを完成させ、変身解除して再びリンの姿に戻ります。
「確かにあのときの絵だ。しかも絵が上手い人って俺のことだったのか…。」
知りたかった相手が自分とわかり、しかも間接的に自分を褒められているようで、カイトは嬉しいような複雑な気分です。しかし気を取り直して、
「リン、改めて聞くけど、何であの漫画を編集部に採用してもらわなかったんだ?」
「だって、こんなのルール違反ですッ!絶対に許されないことですッ!魔法でカイトの力を借りなければ誰にも見向きもされなかったものですッ!」
そう言ってリンは、またボロボロと涙を流し始めます。
このときようやくカイトは、あの一件をずっとリンが引きずっており、未だに罪悪感を背負っていることを理解します。そして当時を再現することが、リンにとってどれだけ辛いことだったかを。
そのことを理解した瞬間、急にリンの肩が小さく頼りないものに見え、思わずカイトはリンを強く抱き締めていました。
「カイト…?」
いきなり感じたカイトの体温に、リンは戸惑います。
「俺はさ、やっぱリンが好きだよ。その曲がったことが嫌いでクソ真面目なとこも。努力して勉強すげー頑張ってるの知ってる。運動が苦手、絵も苦手、でも魔法で克服しないでそのままなんて、本当に真面目なリンらしいと思う。人間でも魔法使いでもどっちでも良い、俺はそんなリンが好きなんだ。さっきは本当にごめんな、リンがせっかく勇気を出して俺に本当のことを言ってくれたのにさ…。」
「はい…。でもカイト、本当に良いのですか…?」
「良いも何も、俺はリンのことが世界で一番大好きなんだからさ。」
「はい…。私も優しいカイトが世界で一番大好きです…。」

(その後)

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