マジョVS魔女(その3)

(「その2」へ戻る)

マジマジョ 虹色 ユリア(演:増田來亜(現おはガール、ガールズガールズ))


・・・・・・・・・・

実はあの予選の後、照〇と現場ディレクターはざわついていました。
「さっきのあの娘さあ、どう思います?」
照〇がある一人の中年ディレクターに声をかけます。
「いや、なかなか面白いと思いますよ、照〇さん。」
「そうですねぇ。対戦食材を1口も食べないなんて前代未聞だし、しかもめちゃ若いし可愛いじゃないですか?」
中年ディレクターが自分と同じ感想を持っていると確認でき、照〇は大いに盛り上がります。
「そうだ照〇さん。この件は大食いゲスト常連の伊○院さんに相談しましょう。次回本選に向けた打ち合わせがあるので、そのときに私から耳に入れておきますよ。」

・・・・・・・・・・

「へえ、面白そうじゃん。」
予選から10日後、早速伊○院の楽屋を訪れた中年ディレクター。伊○院の反応は上々です。
「それにすごく可愛いねぇ。あと若く見えるけど、この娘幾つくらいなの?」
そう尋ねる伊〇院に、中年ディレクターは資料をパラパラとめくります。
「中1ですね。」
「中1?良いじゃな~い。最近プロデューサーにさ、『伊○院さん、誰か良い人いない?』なんて言われててさ。最近の大食いってさ、みんな強いんだけど、少し華がない、高齢化が進んでる、なんて言われてるじゃない?この子ならうってつけじゃない。」
「でもどうしましょう?伊○院さん、この子、予選で1口も食べてないんですよ。」
伊○院の反応が幾ら良くても、予選で1口も食べていないという事実は曲げられません。中年ディレクターは絶望的に漏らします。
「な~に言ってんのよ~、だから俺のとこに相談に来たんでしょうが。確かにこの子は予選で負けたけど、面白いから番組推薦枠で上げられないか、プロデューサーと相談してみるよ。あとおまけにさ、対戦食材をその子の食べたいラーメンにしてさ。決勝じゃなくあえての1回戦目でラーメンよ。マンネリ脱却よ、マンネリ脱却。当たり前のように決勝がラーメンだと思うなよって。」
頼もしい伊○院の言葉に、本選が楽しみになる中年ディレクターでした。

・・・・・・・・・・

そしてユリア宛てに届く一通の手紙。送り主はまたもテレビ東〇です。
しかし今回は、その手紙を手にしたのはティアラでした。
ユリアは予選で1口も食べていない自分が本選に行ける訳ないと当然に思っていたため、その後の手紙連絡には無頓着だったのです。
「ユリア、テレビ東〇から手紙が来ているわ。何があったの?」
リビングでユリアをつかまえ、ティアラが尋ねます。
話をするより中身を見せた方が話は早いと、そして自分も内容が知りたいため、ユリアは手早く封筒を開けて中の手紙を取り出します。
「そんなバカな。…私が本選に?」
「すごいじゃない、ユリア!」
思いの外大きかったティアラの声に、既に学校から帰っていたリン、ミツキ、シオリもリビングに駆け付けます。
「ユリア、番組推薦枠なんてすごいです~。」
「これってテレビに出るんでしょ?」
「この前のラーメンの食べっぷり、すごかったもんね!」
未だ実感の湧かないユリアを差し置いて、大いに盛り上がるティアラと3人。
しかしようやくユリアも状況を理解し、
(これでクイーンが近づいた、待っていろよ。)
再びエンジンのかかってきたユリアなのでした。

(「その4」へ続く)

2件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。